質問よりも大事なこと
指導においてもっとも重要で、楽しいのが「生徒からの質問」だ。
問題を通して、今まで理解できなかったことがパッとわかるようになる。
これは高学年になればなるほど、顕著に現れてくる。
よって、当塾ではとにかく質問しやすい雰囲気を作っている。
長く通ってくれている高校生は、よく質問してくれるし、しっかりと考えてから質問をしてくる。
当塾に入りたての塾生でよくあるパターンとして
塾生:「先生この問題がわかりません」
講師:「何がわからないのか、解答をまず読んで明確にしてみて」
塾生:「・・・・・」
講師:「解答をじっくり読んで、ここが理解できません、という箇所を線引っ張ってきても良いよ」
塾生:(数分後)「ここがわかりませんでした」
講師:「なるほど。ここは理解が難しいところだね。分散というのは平均値からのばらつき具合を見ているわけだから、各データに数値を加減しても同じだけ平均値も加減されるから、ばらつき具合は変わらないのだよ。各データを2倍、3倍したら平均値も2倍、3倍されるからばらつきも2倍、3倍と変わってしまうけどね。2X-2X'=2(X-X')みたいにね。
など、まず生徒側が何がわかっていないのかを自分で把握する癖を持ってもらうことにしている。
これは目の前の問題に対して、限界まで考えるという姿勢を持ってもらうためだ。ただ質問ができるだけでは成績は伸びない。本番では誰にも質問できないのだ。
また、教える側としてもピンポイントで教えることができるので、一人の生徒に時間をかけなくて済む。当塾のように複数の生徒を同時に教える教室では必須のスキルだ。
行動したことで新しい可能性を掴む
当社は副業を推奨している。
塾以外の接点を持つことで講師としても成長してほしいからだ。
そのため、当塾では授業前に会議をしたり、生徒獲得のためのビラ配り等の業務は一切おこなっていない。
授業に集中してもらいたいし、何よりも空いた時間を有効に活用してほしいと考えている。
しかし、空いた時間を有効にと言われても何をしたら良いのかわからない、という人も多いだろう。
自分が何ができるのか、何をしたいのか、世の中が何を求めているのか、
そんなことを考えるだけでも良い勉強になる。
そして、そこに行動が加わることで日々の生活が充実してくるのではないだろうか。
西ヶ原教室長の高橋君が学びエイドという動画授業サイトで講師を始めた。
特に私が勧めたわけでもなく、自分から提案して講師になったようだ。
本人曰く、まだまだ荒削りなところが多くこれから改善していきたいとのこと。
彼は行動することで新しい可能性を掴んだわけだ。
とても素晴らしいことだし、影ならがら応援したいと思う。
問いかけ続けて
夏期講習が無事、終了した。
それぞれの生徒がよく頑張ったが、今年は高校生が特に頑張った印象だ。
自分がどの科目のどの分野が苦手なのかを把握し、
どのような勉強が必要なのかを自覚している生徒が増えた。
やっと自分がすべき勉強を問いかけ続けた効果が見えてきたようだ。
これはとても嬉しいこと。
塾運営としては、来年あたりから景気後退が来そうな予感がするので、
いろいろ準備していこうと思う。
学習業界は景気に関係ない(むしろ不景気の方が先行き不安から活況になる)と言われているが、歪みはいろいろなところで出てくるものだ。
塾経営も何が必要なのか、常に問いかけ続けなくてはならない。
日々の生活に余裕があること
この数ヶ月、生徒数が増えている。
あいかわらず広告を打っていないし、3階に教室を移動させたことで視認性は低下したわけで、入り口は狭くなっているはずだ。
一方で教室は3倍に広くなり、自習席が充実している。自習席の机は、各々が独立しているので、隣の生徒との距離感に苦労することはない。
段々と利用者も増えてきている。
学習塾のミッションとしては
・学習量を増やす
・自分で勉強する力を付ける。
・成績(学力)をあげる。
ということであり、学習環境と講師力が重要。
だとしたら
・路面店よりも人通りが少ない落ち着いたところ
・広告費をかけずに講師の給料を上げる。
など、ひたすら授業の質を上げていけば良いのだ。
双方、望みもしない面談や説明会などいらない。
会議なんかも頻繁に、ましてや定期的にする必要もない。
いろいろなことに手を出しすぎた結果、疲れてしまって授業にならないなんて論外。
「忙しい」とか「寝てない」なんて言っている講師はプロ失格だ。
授業に集中するために日々の生活は余裕を持ちたいものだ。
私なりの「働き方」
生徒の数がまた増えてきた。
季節的な要因もあると思うが、ある保護者の方が当塾をオススメしていただいているようだ。
とてもありがたい話であり、期待を裏切ってはいけないと思っている。
開業から一貫して、広告は打たない方針で来ている。
さらに今年から教室を3階に移し、道路からの視認性はゼロに近い。
教室は4倍近く広くなったが、外からはわからない。
一般的に学習塾の運営で必要とされる業務をかなり削った。
- 塾内の会議はほとんどしない。
- 学校や教材会社の説明会などに出席しない。
- 定期の保護者面談や保護者会は実施しない。
- ビラ配りはしない。
えっ!大丈夫?やる気あるの???とか言われそうだが、
無駄な気力や体力を浪費するよりも指導の質を上げたいと考えている。
塾が始まるまでの時間(だいたい16時くらい)は、自分のために時間を使っている。
睡眠をしっかりとり、食事も全て自炊している。
散歩をしたり、友人と会って話をしたり、趣味に没頭したりしている。
そのおかげで塾の指導時間は、かなり集中できている。
当塾の指導は、その場で質問を受けて解説をする流れなので、前もって準備はできない。
生徒の理解度や性格にあわせて説明する方法や言葉を変えて対応する必要がある。
指導はまさに「生もの」。一瞬の勝負だ。
指導に全集中力と体力を注げれば良いと考えている。
20代の時と比べて仕事時間は半分以下だが、集中力は格段に上がった。
組織に縛られることなく働いてきた経験から得た、私なりの「働き方」だ。
学ぶ環境、教える環境
新学期が始まり、新しい生徒に続々と入塾いただいている。
教室も1階を完全になくし、3階のみとした。
認知度向上としては1階の方が断然に良いと思うが、
3階の方が広くてのんびりしていて良い。
生徒にとっても落ち着いて勉強できる環境だろう。
今年度は、逆転合格を目指す高3生が複数いるため、楽しみだ。
やはり、理系の大学受験組を教えるのは楽しい。特に物理。
教える側もストレスなくいることが大事だ。
塾講師の仕事
入試や定期テストが終わり、新規の入塾を検討する体験生が増えてきた。
広告など一切出していないので、看板を見てくれたり、
口コミで来ていただけるのはありがたいことだ。
目の前の生徒の指導に全力を注ぐことが最大の集客になる。
これは開業してから一貫している考えで、西ケ原教室の教室長とも共有している。
しかし、この全力というのが案外難しい。
生徒によって、何が最適な指導なのか、しっかりと見極めなければならない。
例えば、保護者の方から「もっと勉強するように言ってください」と言われたとする。
そして、その通り生徒に「もっと勉強するように」と言ったとしても効果はないだろう。
学習計画を立てても一週間も持たないだろう。
第一、勉強しなさいと言われて勉強する生徒は少数だ。
勉強習慣がない生徒には、とにかく「解ける」「わかる」喜びを感じてもらうことが重要であると考えている。
誰だって謎が解けたら嬉しいはずだ。
全く解けなかった数学の問題を一人で解けるようになったり、
難解な物理の原理を理解できたなら、
これまでの人生で少ない種類の感動を覚えるだろう。
「そういうことか!」と自然と言葉が出てくるのはその所以である。
それが講師の仕事なのだ。