半分の高校生が未習で合格する時代に
ここ数年、AOや推薦など秋頃に合格をする生徒が増加している。私立大学では50%以上の入学者が推薦合格者という現実もある。毎年、大学合格者を間近に見ている者としては、数学や物理化学をまともに勉強していない高校生が理学部、工学部に進学している実態に若干の不安を覚える。
確かに高校の数学や物理化学なんて大学の2年間で必死に勉強すれば、なんとか追いつくレベルのものではある。基礎からわかりやすく学べる参考書やWeb教材も充実している。しかし、今の大学生に必死に勉強する動機と時間があるのだろうか。
そして、中途半端に勉強した学生は、ゾンビ化した中小企業に就職し、気がつけばスキルも経験もない中途半端な人材として世に放り出される現実が待っている。
その現実を予感しているのか、未習部分(特に物理)の指導を引き続きして欲しいという要望が推薦合格者から毎年出ている。
将来に対する不安を敏感に察しているのだろう。それを汲み取った入試制度になっているかは疑問である。