ニコカテぶろぐ

感性を信じる学習塾経営者のつぶやき

文京区千石、北区西ケ原にて小学生、中学生、高校生を対象とした学習塾を運営しています。

ショート動画の先にあるもの

ここ数年、10分の動画を見続けることに苦痛に感じる人が増えてきた。その結果、Tik TokやYou Tubeショート動画を隙間時間にパパッと見る人が増加している。

自分の好みの動画を短時間で気楽に探せるという点で入りやすく、次から次へとリコメンドされてくる動画を消費していくのは、中毒性もあるのだろう。確かに世界中の表現者やアーティストの動画を眼に触れるという点では、感性が磨かれて良いことだ。しかし、学習という点ではかなり不利に働くことが多い。なにせ学校の授業は50分、塾にいたっては90分もあるのだ。これはもう今の若い人には耐えられない。

そして不幸なことに、入試問題では年々問題文が長くなっており、問題文が何を問うているのか、じっくりと読んで検討する必要がある。解く前に読む必要がある問題が増えた。もちろん動画で出題意図を端的に示してくれるわけではない。

世の中のブームと入試が乖離しているのは今に始まったことではないが、この問題文から主題を読み解くという力は、将来必ず必要になってくるものだ。多くの情報から選択し、組み合わせ、実行していくということを今以上に求められる時代になる。AIが示したものを実行するだけの人間になってしまうと、そこに主体性なるものはなく、修正も選択も存在しなくなる。そして学習意識の高い学生は、ショート動画の娯楽と学習を早々に切り分け、前述の能力を着実に身につけていく。学習格差が所得格差、経験格差と繋がっていく。

「今日面白い動画見つけたよ」では将来は見えないのである。